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清水聖子法律事務所 あなたのよきパートナーでありたい

夏季休暇のお知らせ

2021年08月03日

暑い日が続いております。

下記のとおり,夏季休暇として,当事務所をお休みさせていただきます。

令和3年8月16日(月)から,通常どおり執務いたしますので,

よろしく お願いいたします。

             記

令和3年8月10日(火)~令和3年8月13日(金)

土・日・祝日はお休みとさせていただいています。

祖父母に「監護者指定」「面会交流」の申立て認められず。

2021年04月28日

 最高裁判所において,子(孫)の監護に関する処分について家庭裁判所の調停・審判の申立てを父母以外の第三者は,祖父母であってもすることができないとの二つの決定がなされました(いずれも令和3年3月29日決定)。

〇 「監護者指定」

 一つは,未成年の孫を養育していた祖母で、孫の母親が再婚したあと、孫と新しい父親との関係が悪いなどとして、みずからが監護者となることを求めた事例です。

大阪家庭裁判所は申し立てを認め、大阪高等裁判所も「子の福祉を全うするためには,民法766条1項の法意に照らし,事実上の監護者である祖父母等も,家庭裁判所に対し,子の監護に関する処分として子の監護をすべき者を定める審判を申し立てることができると解すべきである。」として,祖母を監護者とする決定をしていました。

しかし,最高裁判所は,「民法766条1項前段は,父母が協議上の離婚をするときは,子の監護をすべき者その他の子の監護について必要な事項は,父母が協議をして定めるものとしている。そして,これを受けて同条2項が「前項の協議が調わないとき,又は協議をすることができないときは,家庭裁判所が,同項の事項を定める。」と規定していることからすれば,同条2項は,同条1項の協議の主体である父母の申立てにより,家庭裁判所が子の監護に関する事項を定めることを予定しているものと解される。

他方,民法その他の法令において,事実上子を監護してきた第三者が,家庭裁判所に上記事項を定めるよう申し立てることができる旨を定めた規定はなく,上民法766条の適用又は類推適用により,第三者が申立てをすることができると解することはできず,他にそのように解すべき法令上の根拠も存しない。」として,祖母の申し立てを退けました。

〇「面会交流」

もう一つは,孫の母親が病気で亡くなったあと、母方の祖父母が孫と会えなくなったと面会交流の申立てをした事例です。

大阪高等裁判所の「父母以外でも子どもの利益にかなうのであれば、面会交流を認める余地がある」とする決定に対し,最高裁判所は,上記と同じく,父母以外の第三者には申立てが認められないとしました。

 最高裁判所は,今回の決定で、現在の民法の規定を厳格に捉えて、祖父母などの第三者は監護者の申し立てができないと判断をせざるをえないとなったのだと思います。

しかし,個別具体的な事例では,家庭裁判所・高等裁判所とも,「子の福祉の観点から」父母以外の祖父母の申立てを認め,特に,事実上の監護者である祖母の監護継続がふさわしいと判断されていたにもかかわらず,法的裏付けがないままとなってしまうことに違和感を感じます。

 一日でも早く,立法的解決がなされることを望みます。

認知症の人の預金口座への対応は?

2021年02月26日

 認知症などで預金を自ら引き出せなくなり,代わりに親族らが求めた際に,銀行はどうするのか?

 こうした対応に関し,令和3年2月18日,全国銀行協会が「金融取引の代理等に関する考え方および銀行と地方公共団体・社会福祉関係機関等との連携強化に関する考え方(公表版)」として,まとめて公表しました。

 状況に応じて,想定される取引状態別に,分かりやすくまとめられていましたので,以下,引用させていただきます。

(1) 通常取引

本人に認知判断能力がある場合は、通常取引を行う。

 (2)  認知判断能力が低下した顧客本人との取引

① 認知判断能力が低下した顧客本人との取引

親族等に成年後見制度等の利用を促すのが一般的である。

上記の手続きが完了するまでの間など、やむを得ず認知判断能力が低下した顧客本人との金融取引を行う場合は本人のための費用の支払いであることを確認するなどしたうえで対応することが望ましい。

② 保佐人・補助人や任意後見人が指定された後の顧客本人による取引

預金規定等の定めにもとづき保佐人・補助人の届出を受領している場合、 保佐人・補助人の同意を確認するなど、各行の取引手順に則って対応する 必要がある。

任意後見契約が締結されている場合、本人の認知判断能力に問題がない 時点においては、本人との取引が可能であり、任意後見監督人の選任後, 医療費等で至急の支払いが必要な場合には審判前の保全処分を活用することも考えられる。

(3) 法定代理人との取引

法定代理人であることを確認のうえ、各行の取引手順 に則って対応する。

(4) 任意代理人との取引

本人から親族等への有効な代理権付与が行われ、銀行が親族等に代理権を付 与する任意代理人の届出を受けている場合は、当該任意代理人と取引を行うことも可能(本人の認知判断能力に問題がない状況であれば、本人との取引 が可能なケースもある)。

 (5) 無権代理人との取引

親族等による無権代理取引は、本人の認知判断能力が低下した場合かつ成年 後見制度を利用していない(できない)場合において行う、極めて限定的な 対応である。

成年後見制度の利用を求めることが基本であり、成年後見人等 が指定された後は、成年後見人等以外の親族等からの払出し(振込)依頼に は応じず、成年後見人等からの払出し(振込)依頼を求めることが基本である。

本人が認知判断能力を喪失していることを確認する方法としては、本人との 面談、診断書の提出、本人の担当医からのヒアリング等に加え、診断書がない場合についても、複数行員による本人面談実施や医療介護費の内容等のエ ビデンスを確認することなどが考えられる。対面での対応が難しい場合には、 非対面ツールの活用等も想定される。

認知判断能力を喪失する以前であれば本人が支払っていたであろう本人の 医療費等の支払い手続きを親族等が代わりにする行為など、本人の利益に 適合することが明らかである場合に限り、依頼に応じることが考えられる。

無権代理の親族等からの払出し依頼に応じることによるリスクは免れないものの、真に本人の利益のために行われていることを確認することなどにより、当該リスクを低減させることができる。

預金が僅少となり、投資信託等の金融商品しかまとまった資産として残って いない顧客の医療費や施設入居費、生活費等の費用を支払うために、親族等 から本人の保有する投資信託等の金融商品の解約等の依頼があり、やむを得ず対応する場合、基本的には上記の預金の払出し(振込)の考え方と同様で あるが、投資信託等の金融商品は価格変動があることから、一旦、解約等を 行った場合、預金と異なり、原状回復が困難である。この点に鑑み、金融 商品の解約等については、より慎重な対応が求められる。