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清水聖子法律事務所 あなたのよきパートナーでありたい

家事調停手続もWebで

2021年11月11日

コロナ感染拡大防止の観点から,2019年4月に緊急事態宣言が発出されて以後2か月近く,全国の裁判所で,手続がほぼストップする事態となりました。

 かねてより,裁判IT化の流れではありましたが,上記の事態を機に,地方裁判所の民事事件では,Web会議が本格的に導入され,裁判所に行かず手続を進めることができるようになりました。

 

Web会議による審理であれば,裁判所への往復の時間が無くなる上,訴訟記録も持って行くことなく,手元で確認することができますし,裁判所に行く必要がないので,裁判所,双方の代理人弁護士(特に,遠方の弁護士)との期日調整もしやすくなります。

 依頼者にとっても、弁護士の裁判所までの交通費を負担する必要がなく、特に,遠方の裁判所の場合は経費負担の軽減になります。

 

 家庭裁判所の手続では,Web会議ではなく,電話会議による審理がなされていました。

しかし,電話会議による審理は,Web会議による審理と異なり,裁判官や相手方弁護士などの顔を見ることができず,発言をするタイミングをはかるのが難しく,また,こちらの発言に対してどのような表情をしているのか(うなずいて理解してもらっているのか,おかしいと思っているのか)を推測することもできず,やりにくさを感じています。

このたび,最高裁判所より,2021年12月8日以降、東京、大阪、名古屋、福岡の各家庭裁判所で順次試行すると発表がなされました。

仕事などで日程調整が難しかったり、家庭内暴力(DV)の問題があったりする場合などに、調停委員会が相当と判断すれば適用されるそうです。

夏季休暇のお知らせ

2021年08月03日

暑い日が続いております。

下記のとおり,夏季休暇として,当事務所をお休みさせていただきます。

令和3年8月16日(月)から,通常どおり執務いたしますので,

よろしく お願いいたします。

             記

令和3年8月10日(火)~令和3年8月13日(金)

土・日・祝日はお休みとさせていただいています。

祖父母に「監護者指定」「面会交流」の申立て認められず。

2021年04月28日

 最高裁判所において,子(孫)の監護に関する処分について家庭裁判所の調停・審判の申立てを父母以外の第三者は,祖父母であってもすることができないとの二つの決定がなされました(いずれも令和3年3月29日決定)。

〇 「監護者指定」

 一つは,未成年の孫を養育していた祖母で、孫の母親が再婚したあと、孫と新しい父親との関係が悪いなどとして、みずからが監護者となることを求めた事例です。

大阪家庭裁判所は申し立てを認め、大阪高等裁判所も「子の福祉を全うするためには,民法766条1項の法意に照らし,事実上の監護者である祖父母等も,家庭裁判所に対し,子の監護に関する処分として子の監護をすべき者を定める審判を申し立てることができると解すべきである。」として,祖母を監護者とする決定をしていました。

しかし,最高裁判所は,「民法766条1項前段は,父母が協議上の離婚をするときは,子の監護をすべき者その他の子の監護について必要な事項は,父母が協議をして定めるものとしている。そして,これを受けて同条2項が「前項の協議が調わないとき,又は協議をすることができないときは,家庭裁判所が,同項の事項を定める。」と規定していることからすれば,同条2項は,同条1項の協議の主体である父母の申立てにより,家庭裁判所が子の監護に関する事項を定めることを予定しているものと解される。

他方,民法その他の法令において,事実上子を監護してきた第三者が,家庭裁判所に上記事項を定めるよう申し立てることができる旨を定めた規定はなく,上民法766条の適用又は類推適用により,第三者が申立てをすることができると解することはできず,他にそのように解すべき法令上の根拠も存しない。」として,祖母の申し立てを退けました。

〇「面会交流」

もう一つは,孫の母親が病気で亡くなったあと、母方の祖父母が孫と会えなくなったと面会交流の申立てをした事例です。

大阪高等裁判所の「父母以外でも子どもの利益にかなうのであれば、面会交流を認める余地がある」とする決定に対し,最高裁判所は,上記と同じく,父母以外の第三者には申立てが認められないとしました。

 最高裁判所は,今回の決定で、現在の民法の規定を厳格に捉えて、祖父母などの第三者は監護者の申し立てができないと判断をせざるをえないとなったのだと思います。

しかし,個別具体的な事例では,家庭裁判所・高等裁判所とも,「子の福祉の観点から」父母以外の祖父母の申立てを認め,特に,事実上の監護者である祖母の監護継続がふさわしいと判断されていたにもかかわらず,法的裏付けがないままとなってしまうことに違和感を感じます。

 一日でも早く,立法的解決がなされることを望みます。