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「オレンジをめぐる争い」に学ぶ
2016.11.30

先日,某テレビ番組を見ていたところ,

日本紛争予防センターの方が,国際紛争解決のために,「オレンジのケース」の事例を使って,問題解決方法を探るトレーニングをしていると紹介していました(この「オレンジのケース」は,「ハーバード交渉術」という本にも記載されていて,ご存じの方も多いかも。)。

 

オレンジが1個だけあります。

オレンジが必要な人が2人います。

どうしたらいいでしょう?

 

という単純な話です。

 

1人が,もう1人の熱意に負けて譲ってしまうということであれば,どちらか一方が不満を持つでしょうし,半分に分けるということであれば双方痛み分けです。

 

ただ,オレンジ1つ欲しい理由が,1人は「オレンジジュース」を作るためにオレンジ1個が必要だ,もう1人は「マーマレード」を作るためにオレンジ1個が必要だという場合,実は「オレンジジュース」を作りたい人に,皮を「マーマレード」を作りたい人に,と分ければ,双方,満足を得ることができます。

 

双方,満足を得る解決を探るには,十分,双方の話を聞くということは当然のことながら,「マーマレード」を作るためには皮だけあれば十分という知識がなければ,このような解決方法を提示することができません。

 

国際紛争とまではいかないものの,民事・家事の紛争解決に関わる者として,良い解決方法を提示できるように,依頼者のみならず,相手方の話を傾聴して問題点の把握に努めること,様々な知識を得ることの重要性を,某テレビ番組を見ながら,改めて思った次第です。